元ギャル社長がエドウインとコラボした作業着を発売~『ギャル農業』

ギャル農業 (中公新書ラクレ)
『ギャル農業 (中公新書ラクレ)』
藤田 志穂
中央公論新社
735円(税込)
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 ギャル社長として話題になった藤田志穂さん。年商3億円の売上を誇る企業の社長と言う肩書を捨て、今は農業の世界へ足を踏み入れています。農業をするギャル、通称「ノギャル」という言葉も誕生し、メディアでも話題となりました。

 これまで、ギャル社長としてエコ活動などにも積極的に参加してきた彼女。仕事を通して環境問題、HIV・AIDS問題などについても考えるようになり、問題解決のカギは意外にもシンプルだという事に気付いたそうです。「あたり前だけど大事なこと」をいろいろな人に自分なりの方法で伝えていくことが大切だと感じ、その一つとして「食と農業」にも注目し始めました。

 ただ、周囲の厳しい批判もあるのは事実。「ギャルなんかに『農業』をやるなんて易々と語ってほしくないし、簡単にできると思われるのは、農家をバカにしているのもいいとこ」。TVのドキュメンタリー番組での対談を申し込んだ方から、バッサリとこの言葉を頂いてしまったとか。さらに「『農業』をやってます、なんて今のレベルで言ってほしくないし、やってみたら大変だったので辞めました、なんていう結果になったら、農家をバカにするのもいい加減にしろということになる。農業は5年やって、やっと少し分かってくるものなんだ」と言われ、さすがに号泣しそうになったそうです。

 そんな藤田さんですが、ノギャルプロジェクトは確実に進んでいます。ジーンズメーカー大手の「エドウイン」が2月20日、藤田さんとコラボ企画したオーバーオール「イケてる作業着」を発売しました。コンセプトは「農作業が楽しくなるような、かわいくてかっこいい作業着」。綿95%・ポリウレタン5%の混紡のストレッチ素材を使用するなど体を動かしやすいように仕立てたほか、作業中、携帯電話などを落とさないよう各所のポケットにフラップを付けるなど、作業着としての機能性を追求しています。ユーズド加工や星型のウォッシュ加工を施すなど、オシャレなデザインにもこだわったところが"ノギャル"ならでは。

 19歳でギャルのイメージを変えようと「ギャル革命」を掲げ起業し、当時から5年経った今、ギャルのイメージはだいぶ変わったのではないでしょうか。不況の中、不況知らずなギャル市場。ギャル雑誌にとどまらず、最近ではカリスマ読者モデルがテレビでも活躍。ギャルの活躍の場を広げた第一人者が彼女であることは間違いありません。

 そんな藤田さんが農業を始めてから5年後に、今度はノギャルプロジェクトがどのような成果を生み出すことになるのか、楽しみになってきました。

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