2014年に雲から“革命”が降ってくる?~『クラウド時代と<クール革命>』
- 『クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)』
- 角川 歴彦
- 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 740円(税込)
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「クラウド・コンピューティング」という言葉が使われるようになってしばらくたちますが、いまいちピンとこない人も多いはず。クラウドとは"cloud"(雲)のことで、「あたかも雲から何かが降ってくるかのようなイメージで、ネットワーク上にあるサーバのサービスを活用できるというコンピューティング形態を指す言葉」と説明されることが多いです。
とはいえ、あいまいでまさに「雲をつかむような話だ」と感じる人も多いのではないでしょうか?
「クラウド・コンピューティング」という言葉は、2006年8月に開催されたSearch Engine Strategies Conferenceにおいて、Google社CEOのエリック・シュミット氏が言及したことで広まったといわれています。しかし、それから2年半以上経つ今でも、「クラウド・コンピューティング」の定義や説明には多数のものがあり、その上明確な意味を持たず、ほぼ共通する概念は「インターネットを利用する」ということだけであるといいます。
インターネットを利用するということであれば、この2年半でネットを使った便利なサービス、楽しめるサービスはたくさん増えました。みんながつぶやく「Twitter」もそうですし、所有する人が多くなった「iPhone」で楽しめる様々なアプリも、インターネットを利用するサービスだといえます。
つまり、2年半前までは"概念"であった「クラウド・コンピューティング」という言葉が、今は具体的に形になってきたということができるのかもしれません。
そんな「クラウド・コンピューティング」によって、日本の産業構造は2014年に大激変すると、角川グループホールディングスの角川歴彦代表取締役会長兼CEOは予想しています。さらに、本格的なクラウド時代になると、インターネットはネットワーク社会を出現させ、生活保護・年金あるいは病気・事故などの社会を支えるセーフティネットとしてもその存在感を高めることになると。だからこそ国家は、「国民の安心と安全を保障するネットワーク社会を実現させるためにインフラ作りにおいて重要なプレイヤーとしてその役割を積極的に果たすべきだ」と指摘します。
では、2014年には、どんな具体的な産業構造の変化が起きるのでしょうか。メディアの一大グループの経営を舵取りしつつ、知識産業やIT産業の行方を見守ってきた角川氏が『クラウド時代と〈クール革命〉』をまとめました。情報産業にたずさわる人はもちろん、会社経営者やビジネスマン、クリエイターなどにとっては必読の一冊です。