話題やブームを作りだす「ヤフトピ」の秘密~『ヤフートピックスを狙え』
- 『ヤフートピックスを狙え―史上最強メディアの活用法 (新潮新書)』
- 菅野 夕霧
- 新潮社
- 714円(税込)
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「地方の洋菓子店の一つのケーキに、日本全国から問い合わせが殺到」
「毎年1~2人の新入社員しかいない地方企業に、大手メディアが訪れる」
このようなブームや話題は、果たしてどこから生まれたのでしょうか。
ヤフー・ジャパンがニュース提供サービス「ヤフー・ニュース」を始めたのは1996年。今や、ひと月の閲覧数が45億ページ、ひと月の訪問者数が6970万人となり、日本最大級のニュースサイトと言っても過言ではありません。
そのヤフーのトップページには、「ヤフートピックス」なるコーナーがあり、常に8本のニュースが並んでいます。新聞は一切読まず、その日のニュースは全てここから収集する人も少なくないようです。そんな「ヤフトピ」の存在を無視することはできない時代になってきました。
冒頭に紹介した2つの事例の中身はこうです。
山口県・山口市の洋菓子店「洋菓子工房ゆーたん」は、2008年1月に「白いいちご」を使用したショートケーキを製造・販売しました。三重県・鳥羽市にある「鳥羽水族館」では、2006年から4月1日前後に「水中入社式」を行っています。これらは、あるメディアがこの話題をニュースにし、ヤフトピに掲載されたことにより、全国区のニュースになってしまったのです。
本書の著書である菅野夕霧さんは、ヤフー・ニュースに記事を提供するインターネット新聞「市ヶ谷経済新聞」の編集長。各地域のビジネス&カルチャーニュースを配信する「みんなの経済新聞ネットワーク」の一つとして展開しています。ニュースを書かないヤフーは、このように新聞社や通信社など約150のメディアと提携し、一日あたり約3500本という膨大な数のニュースを配信しているのです。
これまであまり大きく話題とならなかった物事も、ヤフトピに掲載されることで全国から注目を集めることになります。実際に「市ヶ谷経済新聞」が配信した記事がヤフトピに上がり、その影響力の凄さを実感したという管野さん。本書には、そんなヤフトピに上がる記事の特徴、話題づくりのヒント、ヤフトピ掲載への挑み方など「なるほど!」と思う内容がたくさん詰まっています。自分だけが知っている身近な話題も、いつの日か全国区になる日がくるかもしれません。
あなたがみんなに知ってもらいたいニュース、ありませんか?