子どもっぽい大人は得をする?~『「話し方」で人を動かす「超」心理術』
- 『「話し方」で人を動かす「超」心理術』
- 内藤 誼人
- 東洋経済新報社
- 1,470円(税込)
- >> Amazon.co.jp
- >> HonyaClub.com
- >> エルパカBOOKS
相手の心を開かせるためには、何が必要でしょうか。
大切なのは自分の心を開くこと。自分の心はかたく閉ざしているのに、相手の心だけを開かせようとしてもムリがあります。まず自分から開かなければ、相手も警戒心を解いてくれないでしょう
相手の心を開かせるのが上手な人は、自分の心を開くのも上手な人。そういう人は、誰に対してもあけっぴろげで、だれにでも話しかけることができる。ようするに、ものすごく気さくなのです。他人に対して隠しごとなどもしないし、オープンな心を持っています。
コーネル大学のジェームズ・デタート博士は、あるレストランチェーンの223名のマネジャーと、3149名の社員についての調査を実施。マネジャーが開かれた心で社員に接していると、社員のほうもオープンに意見や提言を述べてくれる、という結果がでました。
大切なのは、こちらが心を開くことであって、相手が心を開いてくれるのを待つことではないのです。「あの人は、いつまで経っても、何回会っても、僕に心を開いてくれないな......」と思うのなら、その原因はひょっとすると自分自身にあるのかもしれない、と反省しなければなりません。自分が心を開いていないから、相手も心を開いてくれないのです。
「人を見たら、盗人だと思え」という言葉があります。人間はみんな悪人なのだから、そんなに気を許すな、気を許したら危険だぞ、と戒める格言です。
しかし、こういう考えで人に接する人は、相手からも心を開いてもらえなくなります。だから基本的には、相手の善意を信用しなさいという指導を受けます。
小さな子どもは、他人の善意を疑いません。そのため、ものすごく開かれた心を持っていて、だれにでも話しかけてしまいます。だから、小さな子どもに話しかけられた大人も、やはり心を開き返すのです。そういう純真な心を持ち続けることは、人間関係において非常に重要。子どもっぽい人のほうが、相手の警戒心を解くのが上手なのですが、その理由は、子どもっぽい人のほうが、だれに対しても心を開いて接しているからなのです。