なんでも「タダ」の時代にお店にモノを買いに行く理由~『リバティーンズ マガジン No.2』

リバティーンズ マガジン No.2
『リバティーンズ マガジン No.2』
岡田 利規,東 浩紀,平野 啓一郎,町田 康,大澤 真幸,小島 慶子,近藤 良平,桐谷 健太
太田出版
998円(税込)
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 ネットショッピングが当たり前になり、なんでもタダのモノが増えてきたこの時代。店頭に足を運んで悩みながらモノを買うという経験が、以前に比べて減ってきているような気もします。でも、実際に足を運んで買い物に行ったとき、ふと店頭に並べてある商品を見て「あ、これ欲しいかも」と予想外のモノを購入して帰った経験はありませんか? 
 
 7月10日に発売された『リバティーンズ』では、そんなモノと店の不思議な相関関係について特集しています。

 例えば、『twitter社会論』などの著書で知られソーシャルメディア界の旗手・津田大介氏が南阿佐ヶ谷にある不思議な本の陳列方法で知られる「書源」に足を運び、その情報量豊かな独自の陳列法に圧倒されたり、ユニークな店作りで知られる漫画本の古本屋の老舗「まんだらけ」や、セレブが出品するリサイクルショップ「PASS THE BATTON」、野菜を買いにきた主婦が思わず車を衝動買いしてしまう謎の巨大スーパーマーケット「A-Z スーパーセンター」など、一風変わった販売方法で顧客の心を捉えて離さない不思議なお店の数々が紹介されています。

 登場するお店に共通するのは、店の人たちが単にモノを売るというだけでなく、独自にあみ出した陳列法、コンセプト、接客、空間デザインなどの「編集力」を発揮している点。その編集力の結果、ネットで商品をワンクリックするときには絶対にありえない意外なモノとの出会いが生まれる仕組みを活用しています。

 「ウィンドウショッピングが苦手」「モノはネットでしか買わない」「目的のモノ以外は見ない」という人でも、本書を読めばそんな意外なモノとの出会いを体験したくて、これらのお店に足を運びたくなること請け合いです。

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