あのサブカル界に多大な影響を与えた『ガロ』がiPad版で復活

青林堂
350円

 マンガ雑誌『ガロ』の出版で知られる青林堂は、iPad向けコミック誌『ガロ Ver2.01』の販売を9月30日より開始した。

 1964年に創刊した『ガロ』は、白土三平の『カムイ伝』をはじめ、水木しげる、つげ義春、蛭子能収、みうらじゅん、内田春菊など、個性派で知られる作家たちの作品を数多く掲載。一部のマニアやサブカル好き著名人などから熱烈な支持を受け、後進にも多大な影響を与えていたが、経営状況の悪化などもあり、90年代後半からは休刊・復刊を繰り返す状態が続いていた。

 青林堂のホームページによると、『ガロ Ver2.01』は「WEB・同人で活躍中の作家による作品を集成。萌えから燃え、ジュブナイルSFまでカバーする、日本初のiPad向け新作コミック誌」とのこと。島酒「乙姫 CROSSOVER」、浅木胡逸「ケータイ娘 あおいちゃん」など7作品を収録し、季刊で刊行予定。App Storeにて350円でダウンロードできる。

 今回のiPad版を受けたネット上の反応は、好意的なものから、とまどい、否定的意見までさまざま。しかしながら、オリジナリティを重視して多くの奇才・異才を輩出したかつてのように、新たな才能の発掘には大きな期待が寄せられている。

 なお、同社からは既に単行本として出版済みの「まんがで読む古事記」(著:久松文雄)、「炭焼物語」(作画:武野繁泰、原作:宇江敏勝)のiPad版配信も始まっており、今後も過去のタイトルの配信が予定されているとのこと。iPad版をきっかけに再評価される作品も少なからず出てきそうだ。

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