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イリヤの空、UFOの夏
(1〜4)
【電撃文庫】
秋山瑞人
定価 (1)578円(税込)
定価 (2〜4)599円(税込)
2001/10〜2003/8
ISBN-4840219443
ISBN-4840219737
ISBN-4840221731
ISBN-4840224315
(その1)
(その2)
(その3)
(その4)
池田 智恵
評価:A
これを評価するのはちょっと恥ずかしい。それはこれが電撃文庫だからではなく、ここに書かれているのが「夏の思い出」的青春だからだ。舞台は、現代。場所はおそらく東京郊外の田舎町。TVは毎日、「北」と呼ばれる国との戦争の可能性を報道している。だけれど、中学生である主人公の日常は、現実の私たちと変わりなく淡々と、平穏に進んでいる。そんなある日、一人の不思議な少女が転校してきて……。設定からしてありがち。でも、面白い。静かに日常を侵略してくる戦争の描写も見事だけど(また、その戦争がどういうモノかがよくわからないんだ)一夏の恋とか、そんな感じの照れくさい何かをきっちり書いてしまう潔さも見事。きっと作者はフィクションというものをよく知っているのだと思う。でも、次は出来のいいフィクションじゃなくてフィクションを超えるくらいのフィクションが読みたい。がんばってほしい。
高橋 美里
評価:A+
現実と遠いどこか、というのは想像することが容易なようで、難しい。
この作品の中で描かれている世界は、私たちの存在する世界と、とても近い。しかし、私たちの世界と明らかに違うことは1巻で明らかにされ、そして私たちの世界とどんどん離れていく。
物語は、私たちの世界と変わらない風景で幕をあける。主人公・浅羽直之は、超常現象をこよなく愛する水前寺先輩に連れられて山に篭った。山でUFOの観測を行なっていたにのに、成果はまったく上がらなかった、そんな夏休みの最終日。彼は忍び込んだ夏休みのプールで、スクール水着を着た少女に出会う。手首には不思議な金属をつけ、時々異常なまでの量の鼻血を出す、少女。伊里野加奈、だった。
彼女の周りには「兄」と名乗るちっとも似ていない男や、黒尽くめの男たちがたくさんいた。そして彼女にはどこか近寄りがたい雰囲気があった。
単なる、ボーイ・ミーツ・ガールの物語ではない、ということを知るのは「避難訓練の日」。そこで浅羽は伊里野の秘密を知り、世界は自分達の知っている世界だけではないことを知る。
それはとてもハードな世界。どこまでもシリアスな問題。でも、少年や少女の姿はどんな世界でもまっすぐに描かれている。
彼女の求めるものを、浅羽は知っている。そして、世界は彼女を欲している。壮大な物語でした。単なるボーイ・ミーツ・ガールのお話で終わらないこの作品に盛大な拍手を送りたい。
中原 紀生
評価:B
1947年6月24日、公式に報告された中では最初のUFO目撃となったケネス・アーノルド事件以来、人々が安穏と日々の暮らしを営むそのすぐそばで「戦争」は行われていた。中学2年生で新聞部所属の浅羽直之が住む基地のある街に転校してきた伊里野可奈は、特殊な能力をもつ戦闘少女だった。やがて戦いは最終局面を迎え、逃避行を続ける直之と可奈には過酷な運命が待っていた…。こんなふうにまとめるとシリアスな雰囲気が漂うけれど、ほんとうはちょっと滑稽で可笑しくて、そのくせ妙に切ない不思議な軽さをもって綴られる物語。読後感は、悪くない。悪くないどころか、駒都えーじの映画ポスターの趣向を凝らした口絵やイラストにあらためて見入ったり、各巻に差し挟まれた番外編や、エピローグで丁寧に書き込まれた後日譚をじっくり反芻したりと、何度でも物語の余韻を確かめることができる本の造り方がいい。登場人物のキャラやギャグにすんなり入っていける年齢だったらと思う。
渡邊 智志
評価:B
タイトルに燃える! …という視点で読むと、「正しい原チャリの盗み方」だの「無銭飲食列伝」だの、燃えるタイトルですねぇ。前半で水前寺部長に惚れこんだので、「水前寺応答せよ・前後編」には、読む前から久々に血沸き肉躍る昂揚感を抱いたりして。その後フェードアウトする彼に、ちょっとがっかりしたのですけど。色白で無口な謎の美少女と、一見平和な世の中にしっかりと根付いてしまっている戦時体制と、捕らえどころのない強大で圧倒的な敵と…、という世界観は、そのまんま「エヴァンゲリオン」じゃないの? …いちいち指摘するのはあまりにも単純すぎる読み方でしょうか。こんな大げさで不条理な世界をお膳立てしてあげなくても、ごくごく普通の世の中を一生懸命生きている中学生たちを丁寧に描くだけで、充分感情移入できるし、とても心にせまってくるのになぁ、と残念に思いました。こんな若い主人公に究極の選択を求めるのは、かわいそうですよ。