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安楽椅子探偵アーチー
【東京創元社】
松尾由美
定価 1,575円(税込)
2003/8
ISBN-4488012930
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:B
こういう物語を久々に読んだ気がする。とても懐かしい気持ちにおそわれた。私は、小、中学生の時、この作者と同様、シャーロック・ホームズが大好きで、むさぼるように推理小説を読んでいた。(シャーロック・ホームズは今でも大好きで、ベーカー街や、コナン・ドイルの出身地であるスコットランドにも訪れてしまったくらい)。その頃読んでいた推理小説が、丁度「安楽椅子探偵アーチー」と似た感じの雰囲気のものが多かった。あとがきに、大人の人にも楽しんでもらいたいと書いてあったが、大人の方にとっては、ミステリー小説として読むと物足りないだろう。久々に、子どもの頃の純粋な気持ちで読んでみると面白いかもしれない。小、中学生の方にはかなりお薦め。この本をきっかけに、推理小説好きが増えるのではないだろうか。
桑島 まさき
評価:C
作者同様、私も子どもの頃、「名探偵」が出てくる話はよく読んだ。それが昂じてミステリーにハマっている。小説というフィクションの中で我々が遭遇する事件には、必ず〈加害者〉と〈被害者〉が存在する。だが〈加害者〉=〈悪〉、〈被害者〉=〈善〉という構図では必ずしもない。言うまでもなく、犯罪の背景には動機がある。我々が知りたいのは、事件の真相だけでなく罪を犯してしまった者の「領域」である。そこへ踏み込みことで事件は、一応の解決をみるのであり、単に犯人逮捕だけでは犯罪は間断なく起こりうるのだ。最近のミステリーは、罪を犯す者の側からも描いているものが多い。そして我々はその複雑な心理を知り、犯罪を生み出す社会の仕組みを知るのだ。
本作の探偵は、小学五年生の男の子。少年の〈子どもの目線〉によって事件が報告され、安楽椅子アーチーの〈大人の言葉〉によって謎が推理し解決されていく。ミステリーファンにとって、両方の〈領域〉が見えないだけに物足りないといわざるを得ない。懐かしい「探偵物語」に出会ったと思える人にならいいのだが……。
古幡 瑞穂
評価:B
安楽椅子探偵は古今東西数あれど、安楽椅子が探偵ってのは聞いたことがありません。11歳の子どもを聞き役に椅子に探偵をさせてしまうという設定を作るあたり、もうすでにミステリと言うよりはSF?いや、単なるファンタジー?そうはいっても、この主人公の衛くんは年の割には老成(しっかり)しているのでちゃんとワトソン役ができるのです。一部「そんなわけあるかい!」と突っ込みを入れそうになったとこもあるけどね。ある日突然しゃべり始めた安楽椅子のアーチーの語る人生観や蘊蓄に素直に耳を傾ける衛くんの姿がとてもいじましくて印象的。だからミステリとしてより成長小説として読んだ方が面白く読めます。どちらかというと、謎解きを楽しめるほどフェアプレイをしていないというのがほんとのところ。これはこれでそれなりに楽しめたけれど、アーチーが色々な持ち主のところを巡り歩いて何らかの日常の謎や大きな謎の解決に挑むという連作集になったらもっと面白くなりそうですが、いかがなもんでしょ?
松井 ゆかり
評価:A
私には小2を筆頭に3人の息子がいるのだが、前々からおそれていることがある。それは「子どもらが江戸川乱歩にはまったらどうしよう!?」ということだ。私自身、ホームズものによってミステリーを読むようになったし、クリスティの長編も本棚にコンプリートしてある。しかししかし、私はあの少年少女向けの江戸川乱歩シリーズがこわいのだ。表紙の絵もこわいし、背表紙の題名を見るだけでもこわい(もっと先行きを心配するなら、息子たちがさらに長じて横溝正史にはまったらどうしよう!?という不安も。むむむ……)。
さて、「安楽椅子探偵アーチー」だ。私は読んでいる間ずっと、微笑むか、にやにやするか、爆笑するかしていた。実は今月の課題図書の中で私が最も注目していたのがこの本だったのだが(だって椅子が探偵なんですよ!)、期待に十二分に応えてくれる一冊だった。
ああ、私は息子たちにこの本をすすめたい。そしてもちろん、この文章を読んでくださっているみなさんにも。
松田 美樹
評価:C
小学5年生の衛が、自分の誕生日プレゼントにアンティークの椅子を購入。ただし、この椅子、単なる古ぼけた椅子ではありません。何しろ人格はあるし(上海生まれの初老の男性です)、喋るし、推理(!)までしてしまいます。衛と衛の同級生・芙紗が出会う不思議な事件をこの椅子(アーチー)が文字どおり、安楽椅子探偵として謎解きしていきます。
うーん、あまりの設定に笑ってしまうしかないんですが、最後の事件のアーチーの謎について判明する話は、ちょっと無理があり過ぎるように感じました。ま、最初の設定からすごいので、それについて行けなければ読むのは厳しいかも。微笑ましいとも言えますが。子供の頃に探偵小説好きだった、という人にはちょっと懐かしい気持ちになるような作品ではないでしょうか。
三浦 英崇
評価:C
私の祖父の家には、年季の入ったロッキングチェアーがあって、従兄弟たちと一緒によじ登ったり揺らしたり、存分に悪さをしたものでした。この作品を読んで、まず思い出したのが「彼」のことでした。
上海生まれのしゃべる安楽椅子・アーチーが、小学五年生の衛と出会い、衛の持ち込む日常の謎を、シャーロック=ホームズよろしく、部屋から一歩も出ずに解決してゆく様子を見ていると「あ。もしかすると、祖父の家の椅子も、悪ガキどもに辟易してただけで、実は話せたんじゃないのか?」という思いにかられました。
連作の最終話「緑のひじ掛け椅子の謎」は、アーチーが、自分が意識を持つきっかけを与えてくれた、二番目の持ち主の正体をめぐる謎解きで、戦前の魔都・上海で起こった数奇な事件の解明に、「安楽椅子」探偵がついに自ら「動く」というアクション巨編(言いすぎ)。大層お気に入りです。
あの椅子に揺られながら読みたい、そんな佳作の数々。