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アインシュタインをトランクに乗せて
【ヴィレッジブックス】
マイケル・パタニティ
定価 840円(税込)
2004/7
ISBN-4789723178
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
岩井 麻衣子
評価:C
天才アインシュタインの死後、解剖を担当したハーヴェイ博士は脳を持ち去ってしまう。研究と称し世間から身を隠してしまった博士。十数年後、そんな博士に興味を持ち連絡をとった僕はアインシュタインの脳を彼の遺族に返すという博士に同行し一緒に長い旅行に出発する。世間では有名な話なのかもしれないが、ノンフィクションであるというこの話に仰天した。いったいなんで人の脳を大事に持ち歩き、しかもタッパーにホルマリン漬けにしているのだろう。自身も何かを研究したりする学者たちはやはり天才の脳の構造にものすごい興味をもつのだろうか。本書は博士と僕ののんびりした旅路が描かれており、実際アインシュタインの脳は特別だったのかという科学な疑問にはほとんど答えてくれない。著者の私生活はどうでもいいので、そのあたりが知りたかった。脳という異様な物体を持ち歩いてはいるが、あいまいな未来を模索する為出発した旅の日記である。
斉藤 明暢
評価:B
ノンフィクションであると知っても、妙に現実感の感じられない話だった。別に嘘っぽいとか荒唐無稽という訳ではない。むしろ、語り手の煮え切らない感じや迷いなども含めて、リアルさを感じる部分は多々あった。それでも強固な現実感が感じられないのは、「脳」そのものに重大な意味を持たせている価値観のせいだろう。日本人は亡くなった人の遺体にこだわると言われるが、肉体の部位そのものに特別な意味を持たせることは、意外と少ないと思う。
彼の脳に特異な部分は見つかっていないらしいが、もし今後の研究で何かが発見されたとしても、「彼」を理解できたことにはならないし、彼と同等の可能性を持つ人間を再生することもできはしないと思う。だから、脳を抱え込んでいた博士や作品の語り手よりも、当惑した感じで投書を寄せた人の意見に同調してしまう。脳をいくら調べてもその人を理解することにはならないし、何の意味もないと思ってしまうのだ。
竹本 紗梨
評価:B
稀代の大天才、アインシュタインの脳が今でも、一研究者の手元に置かれている。そのことを知った「僕」は研究者に接触し、ひょんなことから、その脳を遺族に渡す長い旅に出ることになった。「僕」は3年ごとに旅に出る、今も恋人が先に文章でデビューしたところで、犬と毎日暮らす日々だ。この旅に出る描写が上手い。この感情─とりあえず変化を求める、もし駄目になってしまってもいい、とにかく何かを変えたい─が淡々とした主人公の「僕」から多少の寂しさをこめて伝わってくるのだ。こういった場合、旅先で考えるのはやはり、その残してきたものたちのこと、絶えず電話が気になり、自由に旅をしているのに、いつもいる場所のことばかりが気にかかるのだ。何十年もの間、アインシュタインの脳とともに過ごし、たくさんのものを得て、またたくさんのものを失ってきたハーヴェイ博士と、これからの「僕」。旅では何も変わらないかもしれないが、小さなきっかけを掘り起こす、そして大切な何かを思い出す貴重な機会になることを思い出した。
平野 敬三
評価:B+
人は誰しも何かにしばられて生きている。それは家族であったり欲望であったり夢であったり意地や見栄であったり、とにかくすべてのものから自由でいられる人というのはいないはず。本書のもうひとりの主人公、ハーヴェイはそれがたまたま「アインシュタインの脳」であったために、ひどく数奇な人生を歩むことになってしまった男である。何かにしばられて生きることは必ずしも不自由なのではなく、その人に大きな「生きがい」を与える事もある。それはもろくはかない蜃気楼のようなものかもしれないが、しかしそれを他人が不幸と決めつけることは決して許されない。人生の終わり近くでふいに訪れた「しばりから開放される瞬間」を前にハーヴェイが見せる言動がそれを雄弁に物語る。そしてそれを読みながら僕は胸を熱くするのである。かなりのおセンチと思われる作者の筆がまったく浮かないほどの、ほのかに切なく静かにドラマティックな物語を堪能頂きたい。
藤川 佳子
評価:A
主人公の“僕”は、20世紀最大の天才・アインシュタインの脳を勝手に持ち出しちゃったマッドプロフェッサーを助手席に、その脳みそのかけらをトランクに乗せ、自動車旅行に出かけます。
この内容、そしてタイトルとオビの「感動のノンフィクション」という文句に、ちょっと期待し過ぎちゃったのかも知れません…。全編に漂う切ない空気感も、どうもスカしてるような印象しか与えてくれず…。私とはウマが合わなかったようです。
藤本 有紀
評価:C
まるで小説みたいな実話。いや、実際に起こった話を小説として悪いということもないだろうから、やはり小説というべきか? 20世紀の半ばにアインシュタインが死んだ。この天才の解剖をした博士が40年以上もアインシュタインの脳を持っているという噂を聞いた僕。かつて住んでいたアパートの大家がビートニクの作家ウィリアム・バロウズの友人で、バロウズの隣の家にハーヴェイという例の博士が住んでいたという偶然から、ついに噂の老博士との対面がかなった。そしてニュージャージーからカリフォルニアまで、老人と脳と共にアメリカ横断の自動車旅行に出発することになる。かなりの有名人経由でこれまた有名人の脳を保有する老人と旅をするという途方もないことなのに、何でもないみたいに書かれているこの脱力加減。脳の入ったタッパーウェアを後生大事に抱えて僕には絶対見せてくれようとしない珍老人と僕の、道中どうでもいいような出来事が書かれた一風変わった話。