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本棚探偵の回想
【 双葉社 】
喜国雅彦
定価 2,940円(税込)
2004/10
ISBN-4575297356
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:C
近頃めずらしい函入、月報、おまけシール付。本造りを愉しんでいることはチラッと見ただけでもわかる。わくわくする。で、勇んで捲ってみた。たとえば以下の一文あたりが、この本にふさわしい読者か否やの分かれ目かもしれない。
「女をガラス張りの風呂に入れて、風呂の底からその足の裏を覗くことを喜びとしている男を描いた『足の裏』という作品がある」
喜国さんはこれを目にして、むしょうに手に入れたくなるわけだ。「蘭郁二郎」という若くして死んだ、その探偵作家。が、肝心の名前に無反応なワタシ。江ノ島でサーフィンする若者を眺める爺さんみたいなものか。それでも本棚に並べてあると嬉しい気分になる。若者が去ったあとの爺さんもきっとこんな心境でしょうか。
安藤 梢
評価:B
なぜにここまで凝った本を……。と思ってしまうが著者の、本に対する並々ならぬこだわりは頭が下がる。著者の探偵小説に向ける情熱は、ちょっとやそっとの好きでは太刀打ちできないくらい熱いものなのである。それにしても、この装丁から想像するに、がっちりとした小説かと思っていたら、エッセイなのである。意外だった。それも思いっきり笑えるくらいの面白さ。何がおかしいって、著者の本への情熱が時に空回りして、とんでもない行動へと繋がることだ。例えば、著者名順に並べられた新古書店(ブッ○オフに非ず)で、間違ったところに入れられている本を直すためにいくつもの本屋をはしごをしたり、探偵小説好きがこうじて自分でトレカを作ってしまったり、などなど。そしてなぜか自分で自分に無謀なゲームを課して何者か(書店か?出版社か?はたまた読者か?)に向けて挑戦を続けているのである。その挑戦、実際の有益度はともかく、出版界への貢献度は抜群である。読み終えれば間違いなく本屋に行きたくなる。
磯部 智子
評価:B
うひひひひ、子供心と大人の財布と言う最強のカップリング。羨ましいと言うかなんと言うか。古本に対するエッセイ集なのだが、この本自体が函入りで(全集以外で函入り!)帯付き・月報・蔵書票まで付いている。だからナンなのさ?と問われると困るが、作家(本業は漫画家)の本に対する偏執狂的オタク魂のこだわりがなせる業なのだ。古本の買い方も先ずルールを決める。店を選ばず並んでいる順に回るとか、その店に欲しい本が一冊しかない時は、どんなに高かろうと絶対に買う(!)などなど(以下、多々省略)、他テーマを決めてアンソロジーを編むというのもあって興味の無い人にとっては、だからナンなのさ?状態が続く。私自身は絶版本以外に古本に手を出した事は無く、それは超初心者、古本の世界では赤子の如き存在らしい。古本を愛する人間は決して新古書店には足を運ばず(売らない、買わない)、極めると読む為と言うより蒐集そのものが目的になるらしい。ポケットミステリを欠番無に並べるとか。で結局のところは、だからナンなのさ?が本になり、作家の子供心を養い続ける事自体が一番羨ましいことかもしれない。
小嶋 新一
評価:A
古きよき時代の探偵小説まわりの「本」を題材にした連作エッセイ。古書マニアの恐るべき生態が明らかにされる(この本じゃなくとも、あちらこちらで明らかにされてはいますけどね)のに加え、神田古書街での本買いルポ、架空アンソロジーの編纂、マニアの本棚探訪などの企画モノがばかばかしくも充実しており、楽しくページを繰らせてもらった。函入りの装丁をはじめ、遊び心いっぱいなのもいいですね。
その半端じゃない買いっぷりや、それらを本を棚に並べるだけで読まずに眺めているといった話を知ると、半ばあきれて「僕は人並みの本好きでよかった」と思ってしまうが、そう言いつつも吸い込まれるように、一気に読み終えてしまったのはなぜ??やっぱり僕も、こんな風に買って買って買いまくりたい!という憧れがどこかにあるからに違いない。
本を買いたいゾ〜という衝動を疑似体験で紛らわせたい方、逆に、さあこれから古本屋めぐりだ、オレの買う気に油を注いでくれ〜という方にお勧めします。是非ぜひどうぞ。
三枝 貴代
評価:B
本好き漫画家による、ちょっと異様な、本に関する日常エッセイ。豪華仙花紙風函入り。挿し絵、蔵書票、帯、そして(毎月は出ない)月報つき。
わたくし、「本はテキストだ」主義者なもので、装丁などは紙をとめておく手段にすぎないと思っています。函? 化粧紙? 特別色? そんな読むところ以外にお金を使わないでもらいたい。帯? いつのまにかなくなっています。こういう人間からみると、読まない本を買うとか、復刻版より元本がありがたいとか、ブックオフはいけないとか、そういうお話は、もう、全然理解できないのです。
なのに面白いんですよ。本当にスキーが好きな人のスキーエッセイはスキーをやったことのない人が読んでも面白いわけで、本気でテキスト以外の部分にもこだわっている人のエッセイは、「本はテキストだ」主義者にも面白いわけです。にやにや笑いつつ、読み終えました。けれど自分でこの本を買うとしたなら、立派な函に(テキスト以外のこんな部分にもお金を払っちゃったのか〜っっっ、と)、ちょち、いやーんな気分になっちゃうかも。
寺岡 理帆
評価:AA
箱入りで非常に凝った作り、中身は抱腹絶倒。笑いの中にも、ミステリと古本に対する限りない愛を感じる。しかし古書蒐集家ってのもホントにすごい人がたくさんいるのね…。
古書街に並んでいる古書店に端から1軒1軒入っていって必ず1冊欲しい本を見つけて買う、とか、自分の好きなテーマでアンソロジーを編む、とか、ミステリ本のトレカを自作する、とか、ネタのためには何でもするその姿勢がスバラシイ(笑)。
昔初めて挫折した本に改めて挑戦するために、1日読書の日を作って読書のためにあちこち出かける、というネタが個人的には好きだったなあ。わたしもこういう1日を送ってみたい…。
読んでいる最中、何度もつい声を出して笑ってしまい、そばにいた家人にかなーり怪しい目で見られてしまった。人前で読むのはやめておいた方がいいかも(笑)。
福山 亜希
評価:A
物体的な「本」の魅力に激しく迫った力作だ。本を収集する為に本屋を一件ずつまわり、とにかく本を買い続ける。ノルマのような、業のようなそのゲームを自分に課す作者の姿は、本好き人間の極地にあるべき、正しく立派な姿だ。強く支持したい。
この本に登場する神田神保町は、通っていた大学のすぐ近くということもあり、私もよく出掛けた。古本屋に入ると、年月を感じさせる黄ばんだ本の背が、高い棚の上から下までびっちりと埋められていて、その棚と棚の林の奥の方に、店主が埋もれるように佇んでいるのだ。物体的な本の魅力に取り付かれる人の気持ちは、神保町の古本屋に行けば分かるかもしれない。それに、古本屋には独特の妖気が漂っていて、時間の流れも外の世界とは違うのだ。
本の魅力とは何なのだろう。ただ読むだけでは飽き足らない。集めるだけでも飽き足らない。本は棚に入れておくだけでもそこには何かしらの雰囲気が生まれてくるし、古本屋は店主も含めて文化だと思う。この本を読みながら、改めて本の魅力に取り付かれてしまった。