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凸凹デイズ
【文藝春秋】
山本幸久 (著)
定価1680円(税込)
ISBN-4163244301
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★★★
オシゴト系青春小説。
凹組(ボコぐみ)という名の3人だけのデザイン会社。徹夜でヨレヨレで貧乏だけど、モノを作る苦しみとそれが世に出た時の喜び・達成感。才能を嫉妬したり、助け合ったり、感動を分け合う。ああ、一緒に仕事をする仲間っていいなぁ〜。
いきなり羨ましがってしまったけれど、デザインの仕事事例は時間が経つと古く感じられるため小説で紹介するのが難しい。この物語は過去を語る(長身男の一方)と今を語る(背の低い女の子)のエピソードを交互に組み合わせ、10年前のデザインとして企画を紹介している。それがとても上手い。その彼らが語るのは醐宮(ゴミヤ)だ。かつては凹組の仲間で今は別のデザイン会社の社長。バリバリと音を立てて仕事する可愛くてひたむきなバカ女。ゴミヤっぽいあざとさと弱さは仕事をする女の中に普遍なのか、そのガンガン振りとさびしんぼ振りがイタタ……。「シュルルル」と擬音でしかデザインを表現しない上司なんかも数々登場して(いるよなー)いよいよ大円団へ。「おかえり」と仲間に迎えられる幸せ。青春仲間モノに弱いので星1個追加。
読後感:フォントで表すとこんな風かな→ IiiI ^^
島田 美里
評価:★★★★★
理想の上司なんてランキングを見かけることがあるが、もし、このふたりのおっさんがノミネートされたなら、ぜひ投票したいと思う。
大滝と黒川という30過ぎの中年男が経営するデザイン事務所は、地味でしょぼい。だけど給料は安くても、この職場は楽園である。彼らのたった一人の部下である22歳の凪海の、のびのびした仕事ぶりがその証拠だ。まるで珍しい動物の保護区みたいに穏やかな環境だが、おっさんたちの天敵である他社の女社長とデザインコンペで競い合ってから彼らにも野心が芽生えてきたようだ。読んでいるこっちも、30歳をとうに過ぎても、勝負できるぞ!と、わけもなく鼻息が荒くなってくる。
それにしても、前作「はなうた日和」でも思ったが、著者の作品はディテールに味わいがある。着物姿に雪駄を履いている黒川が好きなアイスは、絶対「ガリガリ君」じゃないといけないし、大滝のTシャツの胸元には、やっぱりファンシーなキャラクターがプリントされてないといけない。「ふとっちょのおじさん」コンビの野性味やナイーブさを上手く表現した文章に出逢えば出逢うほど、彼らのランキングもうなぎ登りなのだ!
松本 かおり
評価:★★★★
ストレートに気持ちのいい小説だ。特に、一気急展開で盛り上がるラスト40ページ、「おおおーっ、やるじゃーんっ!!」。デザイン事務所・凹組の凪海が、ガンガン訴える台詞には感動。卑屈になりがちで弱々しく、自己主張が苦手だった彼女が、人に揉まれ仕事に揉まれするうちに見事に成長、迫力満点の見せ場になっている。
クダケとユルさのなかにもプロ意識が垣間見えるデザイン業界人たちも魅力的。大滝、黒川の男衆も悪くはないが、なんといっても突出役者はゴミ屋、いや違う、ゴミヤこと醐宮純子だ。新進気鋭の辣腕女社長。ときに傲慢横柄言いたい放題、目的達成のためには手段選ばず。10年前から現在まで変わらぬ打たれ強さは、デキる女の好見本だ。
働くことは山あり谷あり。その紆余曲折を乗り越えて、より大きな、よりハイレベルな仕事を目指し続ける主人公たちに共感すると同時に、心から応援したくなる。
佐久間 素子
評価:★★★
デザイン事務所を舞台とした青春おしごと小説。誰の青春って、そりゃ主人公の駆け出し社員・ナミのに違いないのだけれど、意外にも30過ぎのオータキたちの青春でもあるのだ。ナミの話、オータキたちの十年前の話が青春なのはいいだろう。しかし、現在進行形でオータキたちが青春しはじめちゃうのはいかがなものか。30過ぎて、自分の身の丈を定めて、あきらめることを覚えても、あっというまに逆戻りなんだもんなあ。オータキたちは、いつになったらこのうろうろじたばた状態から抜け出せるのかしらねと、いくぶん見守るような気持ちになってしまう。年を重ねても、なかなか大人になりきれないよと苦笑する人なら、元気がもらえるのではないかしら。 気の強い女たちも、どうにも押しの弱い男たちも結構かわいい。登場人物が魅力的だから、素直に肩入れできるはず。
それにしても、皆何かというと飲んでばかりでうらやましくなるので、傍らに酒類を準備して読み始めるのがよろしいかと。
延命 ゆり子
評価:★
★
★
エロ本の編集、広告代理店の下請けの下請け。そんな端物の仕事ばかり請け負うデザイン事務所の凹組。そこで働くのは気のいいオッサン大滝、天才肌で小汚い黒川、そして22歳の凪海だ。そこへかつて三人で応募した賞を独り占めして独立した女社長の醐宮が絡んでくる。
男にフラれて給料は少なく何をするにもツイていない凪海と、バリキャリで野心家だけどどこか痛々しい醐宮。それぞれの青春と挫折、仕事を通じた友情。年齢も性格も違う二人が心通わせていくシーンでは心が温まるものの……。ごめんなさい私どーしても醐宮を好きになれません! 歳若いデザイナーのプライドをズタズタにこき下ろしたり、純情な大滝を意味もなく誘惑したり。悪女だけど実はイイヤツ……という枠には収まりきれない何かがある。多分この人ともう一度仕事しても同じ裏切りするんじゃないかな。ラストにいたるまで信用できない。そう思わせる結末ってどうなの。
男が思う、「女に好かれる女」って感じがした。
新冨 麻衣子
評価:★★★★
弱小デザイン事務所に所属する主人公・凪海が、デザインのコンペに向かうため、台風のなか必死に歩いてるシーンから物語ははじまる。そのコンペには凪海の勤める「凹組」と、美人社長が率いる旬なデザイン事務所「QQQ」が最終選考に残っていた。「凹組」は新人の凪海と、デザイナーとしての腕は確かだが変わり者のクロ、そして3人のまとめ役的な存在のオータキという3人だけの弱小デザイン事務所で、抱える仕事と言えばエロ雑誌のレイアウトやスーパーのチラシばかり。つまりこのコンペは、「凹組」にとっては大きな仕事なのである。ところが結局そのコンペでは、「凹組」のキャラと「QQQ」のロゴという組み合わせになることになってしまい……!?
これに十年前のオータキを視点にした、クロと、のちの「QQQ」の美人社長との3人の物語を、上手いこと噛み合わせている。平安寿子が好きな人は間違いなくツボにはまる作品だと思う。ラストも最高です。