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影と陰
【ハヤカワ・ミステリ文庫】
イアン・ランキン (著)
定価890円(税込)
ISBN-4151755020
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★
リーバス警部シリーズ物第二作目。
一匹狼リーバス警部がエジンバラで起きた事件の解決に挑んでいくのだが…。
どうも、主人公リーバス警部が好きになれない。なぜあんなに強引に捜査を進めるのだろう。世界は俺中心に回ってるぜ!って捜査の仕方だ。
なんだか日常生活も裏取引に満ち満ちているし。こんなろくでもない主人公が登場する話、あんまり読んだ事ない!(笑)
何度も「お前のやり方間違ってるよ!」なんて心の中で毒づいちゃいましたよ。
若い女性にはすぐによろめいちゃうし。何だか、しょぼしょぼのエロオヤジ、といった感じだ。
部下になったホームズ刑事も一苦労。こんな無茶苦茶な上司にこき使われちゃって。気の毒すぎる。
途中から私の心はホームズ刑事への応援歌で一杯になってしまいました。
微妙な関係の2人組みが、近寄ったり離れたりしながら事件の真相に近づいていく。
それにしても、こんな関係のコンビも珍しいかも。
意外と普通の警部ってこんなものなのかもねえ…。
襟を立てて、タバコをふかして難事件を解決していく渋い男のミステリー。
では、ありませぬ。
松井 ゆかり
評価:★★★
ある青年の変死事件。死体の傍らには溶けかけたロウソク、部屋の壁には五芒星。ああ、ハードボイルド(もしかしたら作者の気持ちとしてはミステリー作品なのかもしれないが)にもこのようなオカルト風味が加わるようになったのか、と思う。
それにしても、ハードボイルドとはこんなに無機的なものだっただろうか。10代後半に私が傾倒したレイモンド・チャンドラーや矢作俊彦、あるいは森雅裕の作品群は、この小説に比べたらはるかにウェットなものだった気がする。「影と陰」の小説世界を、クールでスタイリッシュだと思う向きがおられるのはわからなくはない。しかし、主人公ジョン・リーバスの苦悩や心の揺れはいまひとつ私の心に響いてはこないのだ。それがハードボイルドの変容のためか、私の加齢のせいかはわからないが。
西谷 昌子
評価:★★★
悪魔崇拝を匂わせる殺人事件が起きた……というところで、ダ・ヴィンチ・コードのようなものを想像してしまったがまったく違って、警部ジョン・リーバスと仲間の警部との微妙な関係性や、舞台となるエジンバラの退廃的な雰囲気を楽しませてもらった。そしてラストのどんでん返しに驚く。
タイトル通り、町が影と陰に覆われている様子がまるで映画を見ているように目の前に立ち上がってくるのが凄い。暗いなかにもさらに闇があり、よからぬことが蠢いている。そのくせ文体がすっきりしているので、後味がよい。もう少しインパクトが欲しかったところだが。
島村 真理
評価:★★★
署内でも一匹狼のリーバス警部。不法占拠の廃屋に変死体、ヤク中での死亡の疑い、カルトふうな現場。ちょっと怪しいけれど、薬物中毒者の死として簡単に片付けそうな事件を不審に思い執拗に追っていく。
シリーズ2作目というこの作品は、現在15冊にもおよぶ長シリーズだそうです。主役のリーバスは、なんだか気難しいおじさんだなぁとは思うものの、過去のわだかまりをひきずっていて、女性関係についてないかわいそうなところに興味をひかれました。憎たらしいけれどつい許してしまいたくなるユーモアもあるし。突然抜擢され、つかいばしられるホームズ刑事との絶妙な関係も見逃せない。
それにしても、イギリス人のとってつけたようなお世辞って面白いですね。相手を上げたり下げたり。刑事の好む飲み物も珈琲ではなく紅茶、仕事が終わればパブ、ビートルズというのがいかにもイギリス的で新鮮でした。(もちろん珈琲も飲んでるけれどね。)
荒木 一人
評価:★★★
英国ミステリのリーバス警部シリーズ第二作。題名からも連想される通り、色々なモノの二面性を強調している。サスペンスものだが、会話文が多く読みやすく、内容に反して軽く読める。妻と娘に遠くロンドンに去られ、ジルやライアンと上手く行かない、人間くさい不器用なリーバスが好きになった。(笑)
エジンバラ市郊外で、ヤク中の若者が死んだ。壁に、二重の円に囲まれた五芒星が書かれていた。傍にあった、ロウソク。占星術か、魔術か。その事故死に興味を持ったリーバス警部が捜査を始める。ホームズ刑事を無理矢理相棒にしたてあげる。
実は、シリーズの第一作を読んでいないので(すみません)、言いにくいのだが…各章の冒頭の「ジーキル博士とハイド氏」の引用が、若干鼻につく。著者自身が、下敷きに用いていると公言しているのだが、遣りすぎ感が漂っている。確かに、著者は二面性を全面に押し出しているので分からなくも無いが。
水野 裕明
評価:★★★★
「影と陰」という書名と、冒頭の異様な死体の状況、さらにはオカルトやカルトっぽい話などから、これはサイコスリラーかと思いきや、意外と事件は普通の展開を見せて、麻薬に毒薬が混入されたことによる殺人とも事故とも分からないようになってくる。それを地道に捜査するのがリーバス警部。こうなってくると、やはりイギリスのミステリーで、リーバスのグチや独白、心情描写が多くなって、ストーリーはゆるゆると進んでいく。次から次へと事件の様相が展開していくアメリカのサスペンスミステリーとはまったく違うテイストで、捨てがたい魅力がある。このあたりは好みの問題で、早い展開がお好みの読者にはお奨めできないが、週末の夜に1ページ1ページじっくりと捜査の進展を楽しむには絶好の一冊ではないだろうか。